まえがき
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タイラップの魔術師と呼ばれ、高校時代の文化祭で作った山車は釘やネジよりもタイラップがはるかに多く使われていたという逸話を持つSAno71が、結束バンドについてちょっといいかげんに調査を行ったためここに報告する。
ちなみに、タイラップの魔術師というのは、タイラップを使うことにものすごく長けているわけではなく、ことあるごとに「タイラップで止めておけばいいんじゃない?」という感じの本人の性格を表した名称である。
また、当論文は画像による解説が非常に少ないため、文章を読むことにアレルギーがある場合や短い文章でも極度に疲労する体質の方はご十分にご注意頂きたい。
また、この論文に対する指摘や意見などは随時BBSまたはメールで受け付けるものとする。 |
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考察1・・・結束バンドとはなにか
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まずは、結束バンドの定義についてである。
結束バンドとは、俗にタイラップ・コンベックス・インシュロックと称されるナイロン等でできた配線コード等を結束するバンドを差す。
しかしながらよく言われる、タイラップ・コンベックス・インシュロックなどの名称は商品名であり、これらの名称は一般的に利用するべき物ではない。
タイラップ・コンベックス・インシュロックというのはあくまでも名詞であり結束バンドという代名詞がある、結束バンドという名称ならば、たとえば「車」といったような広い意味をもつが、前者の3通りの呼び方はマークII・チェイサー・クレスタといった限定した意味をもつことになる。
このような事例はウォークマンという名称がSONYの製品だけを差していることなどが良い例であり、一般的にも通ずる場合が多いが類似品を誤った商品名で表示・公言することになり、メーカーサイドにも失礼にあたる上、正しい言語を使用していないという事にもつながるため十二分に注意して頂きたい。 |
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考察2・・・名称の違い
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次に、タイラップ・コンベックス・インシュロックの違いについてだが、通常タイラップという製品は機械関連の業界で利用されることが多く、主に機械いじりに利用する車好きの間では当然この名前で通じる場合がほとんどである。
しかしながら、コンベックスやインシュロックというのは配線の結束など電気関連の業界で利用されることが多く、電気工事事業者等ではコンベックス、又はインシュロックと称されることがほとんどだと思われる。
タイラップ・コンベックス・インシュロックの違いについて、これはほぼ同じ性質をもった物と思って間違いない、名前が違うのは製造しているメーカーが違うことに起因している。
むろん、各メーカーが趣向を凝らしているわけであるから、材質やサイズ等は当然違ってくるが、ここでは結束バンドとしての効果や使用方法は同等であると仮定しておく。
下記の表はメーカーと製品の名称について示したものである、メーカー名は各メーカーのWebページへとリンクしてある。
下記の表はSAno71が調査した範囲内のことであるため割合大きな企業のみ掲載している。
恐らく表にないメーカーも存在する物と思われる。
余談ではあるが、調査中に「インシュロックタイ」を「飲酒ロック隊」と記述した文献を発見した、いかにも酒好きなオヤジ的発想である。 |
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また、普段私たちが利用している結束バンドとはやや違った新しい製品も下の表に示したメーカーから販売されているようだ。
これは、結束部のヘッドを薄くかつ、丸みを帯びたデザインにして、ケーブルのループに沿った形状での結束を可能にした物だが、この製品についてはまだテストした事例がないため詳細な解説はしないこととする。
しかしながら、現時点ではまだこのような製品は通常の結束バンドと比べて高価になると思われるため実用性は薄いと言えるだろう。 |
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結束バンドメーカー
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新製品の名称
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パンドウイット |
ベルトタイ |
トーマスアンドベッツインターナショナルインク |
セーフ・タイ |
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その他に、専用工具を必要とするタイプの結束バンドもホームセンターなどで売られているが、我々が普段使うような機械関係の固定や結束に必ずしも向いているとは言えないこととそれらの製品を含めると今回の論文はテキストのダウンロードに数分を要するような莫大なものとなることが予想されるため割愛させて頂く。
これはSAno71の持論であるが結束バンドといえばページ下部の画像の「◆保管方法のひとつ」ような状態で車内や工具箱に転がっているのが美しいと思っている。 |
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考察3・・・特殊な機能
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次に一度締めた物をはずして再び締め直すことができるタイプの結束バンドについてである。
まず、このタイプは比較的大型な結束バンドに限られる。
これは取り外しができる構造上やや大きくなってしまうためだが、こういった構造上の理由もありあまり便利な物とは言えないだろう。
使用例としては、タミヤのRCで付け外しの必要なバッテリーを固定する際に利用されている。
しかしこのタイプの結束バンドは確かに付け外しができるようにはなってるが際立って素早く付け外しができるわけではなく、構造上やや高価な品になってしまう上に、通常の結束バンドと比べてもなんらかの外的要因によってはずれてしまう可能性も高くなり、汎用性という点で極めて劣ることになってしまう。
結束バンドは常に数十本用意しておき、締め付け箇所を間違えた場合は潔く切断して使い捨てるのが理想的な使い方である。
また、このとき2種類程度の長さの物を用意しておくとなお良いと言えるだろう。 |
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考察4・・・コストと材質と強度
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次に結束バンドの材質についてである。
よく100円ショップ等で売られている非常に安価な物は破損しやすいと言われがちである。
事実、強度的なことを突き詰めていけばホームセンターなどで売られている製品と比較すると、柔軟性に難があり壊れやすいという結論に達するが、当初の目的であるケーブルの結束という用途で破損する可能性は非常に低い物である。
また、強度の必要な使用方法の場合でも数本を併用することによって十分な強度を得られることがわかっている。
金銭的に不自由のない場合ならばわざわざ安価な物を使う必要はないが、結束バンドを切断する際、少しでももったいないという思考が働いてしまう場合には安い物にしておくべきだろう。
思い立った時にすぐに使えて、なおかつ不要になった場合にはすぐに切断してしまえることは非常に重要なことである。
また、材質についてだが白や乳白色の結束バンドはポリプロピレンでできた、酸・アルカリ・アルコール等の耐薬品性を狙った製品である場合がある。
耐薬品性を狙った製品は長期間の使用に向いていない可能性があり、ナイロン46(UL規格94V−2)製の物であれば問題はないが、材質が不明であれば長期間にわたって効力を保ちたい部位には黒の結束バンドを利用した方が良い。
ただし、白いからといってすべてがポリプロピレンでできているわけではなくナイロン46(UL規格94V−2)製の白または乳白色の製品も確認されているので材質さえ確認出来ていれば色にこだわる必要はないだろう。
しかしながら、最近多く市場に出回っている赤・黄・緑・青等のカラフルなものはナイロン66(UL規格94V−2)でできている製品を確認している、長期的なテストは行っていないため断言しがたい部分であるが、耐久性が必要にならない部位以外では使用を控えておいた方が賢明だろう。 |
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考察5・・・総評
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結束バンドの使用において大切なのは用途と工夫のバランスである。
長さが足りなければ数本の結束バンドをつなぎ合わせることによって延長することができる、今時ファンベルトが切れるということはないはずだが、万が一の場合も結束バンドで代用することが可能になっている。
マフラーのステーが折れたとしても結束バンドで固定しておくことができ、ステアリングのタイロッドが折れたというレッカーか搬送車での移動しか考えられないような事態でも、きちんとした方法で結束バンドを使うことによって最徐行程度の走行なら可能になり、その場から移動することができるはずである。
また、固定以外でもプラスチック等の接着時の仮止めや、軽く締めておけばバネ付きのニッパーを閉じた状態で収納しておくなんていう使い方もある。
しかし、様々な場所に使える結束バンドも万能ではない。
すべての事象に対して結束バンドを使うことは結束バンドの工夫を追求するあまり結束バンドの用途を見失うことである。
ごくまれにバンパーを結束バンドで吊っている車輌を見かけることがある、これはあえて強度を落として衝突時には結束バンドが切れることによって衝撃を吸収するようにしているからであって、ものぐさのあまりそうしているわけではないのである。
安全面を考えた上で強度が必要な部分には面倒でもボルトとナットなどを利用するのが一番確実な固定方法だろう。
結束バンドはあくまでも簡易的な固定と応急処置に利用する物であることを忘れてはならない。
「この問題に結束バンドで対応しても良いのか?」
「どのように結束バンドを利用すれば最大の結果が得られるのか?」
このことを常に念頭に置き、結束バンドを正しく利用することによって、より良い結束バンドライフを送って頂きたい。
最後に、このコンテンツは結束バンドに関する研究を報告したものだが100%真剣に作っているというわけではないことをここに公言しておく。 |
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